Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM2】IPM2 on VMware(ESXi 1台)のシャットダウン

IPM2でVMware ESXi 1台をシャットダウンする手順を解説します。

はじめに

IPM2の基本設定(IP設定、ライセンス適用、UPS検出など)は済んでいる前提で話が進みます。予めご了承ください。

構成

VMware

  • VMware ESXi 7.0 Update 3g x1
  • Eaton IPM 2.6.0 (VM) x1
  • AlmaLinux 9 (Guest VM) x1

UPS

  • Eaton 5PX1000 UPS x1
  • Eaton Network-M2 3.0.5 x1

シャットダウンの概要

1.UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
 (本ブログでは、停電が180秒継続したらシャットダウンシーケンス開始、その240秒後にUPSをシャットダウンする設定)

2.仮想マシンのシャットダウンは、VMware ESXiで設定します。

3.ESXiのシャットダウンは、IPM2で設定します。
 (本ブログでは、停電が180秒継続したらESXiをシャットダウンする設定)

IPM2からシャットダウン命令を受けたESXiは、仮想マシンをシャットダウンした後にシャットダウンします。

※各タイマーはご使用の要件・環境に合わせて変更してください。本ブログはテスト環境のため短く設定しています。

UPSのシャットダウン設定

UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
最初に、シャットダウンシーケンスを開始する条件を設定します。

保護 > 停電時のシャットダウン

・バッテリー運転が180秒継続した時
・バッテリーの残り時間が300秒を下回った時

どちらかの条件を満たした時の設定例が下記の通り

次に、シャットダウンシーケンスが開始したら、240秒後にUPSをシャットダウンする設定をします。

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

PRIMARYのOSシャットダウン時間(秒)のローカルに、240を入力します。

これで、停電が180秒継続したら、その240秒後にUPSをシャットダウンする設定になりました。

仮想マシンのシャットダウン設定

仮想マシンのシャットダウン(IPM2を含む)は、VMware ESXiの機能で実現します。

ホスト > 管理 > システム > 自動起動

有効:はい
停止アクション:シャットダウン

各仮想マシンは、シャットダウン動作:シャットダウン、自動起動の順序:任意(起動したい順)で設定します。

これで、ESXiをシャットダウンすると、仮想マシンをシャットダウンした後にシャットダウンするようになりました。

ESXi コネクタの追加

ESXiのシャットダウンは、IPM2で設定します。シャットダウン設定の前に、IPM2がESXiに接続する設定が必要です。

アセットにはUPSが1台アクティブになっている状態です。

ADD ASSETS > ADD CONNECTOR

設定 > コネクタ に移動したら、右上の[追加]を押します。

仮想化 > VMware ESX/ESXi を選択します。

ESXiのIPアドレス、管理アカウント、パスワードを入力します。

[ハイパーバイザーをホストするサーバーの自動作成]はチェックします。

コネクタが追加されて、ステータスが[接続済]になりました。

アセット > バーチャルアセット に移動して、ESXiと仮想マシンが追加されたことを確認します。

ITアセットに移動すると、[デバイスは構成されていません]とメッセージが表示されているため編集します。

パワーインプットカレントの0を変更します。

サーバーの入力電源ケーブル数(電源ユニット数)に変更して次へ。

サーバーの入力電源ケーブルが接続されているUPSを選択します。

コンセントグループも選択したら[終了]を押します。

編集成功のメッセージが表示されました。

_incomplete_ のフィルタが設定されているので、×を押してフィルタを解除します。

[デバイスは構成されていません]のメッセージは解消されました。

オートメーション設定 (自動化設定)

オートメーションは、IPM2で実装された新機能です。
トリガーとなる条件が満たされた時に、アクションが実行されます。

オートメーション > 新規作成

[オートメーション]を選択します。

自動化名は任意です。読んで分かりやすい名前が良いでしょう。

次に、トリガーを設定します。ここで設定した条件を満たした時に、下のアクションが実行されます。

[電力の問題]を選択します。

[UPSのAC停電]を選択して次へ。

パワーソースにするUPSを選択して終了。

[選択したUPSがAC停電した時]を条件とするトリガーができました。

UPSが停電を検知したらすぐにアクションを実行されたくありません。
一定時間(ここでは180秒)待っても停電したままだったらアクションを実行してもらいたいです。
このような時は、実行したいアクションより前に[遅延タイム]と[初期トリガーの確認]を挿入します。

[遅延タイム]を選択します。

待機時間(秒)に180秒を入力して[終了]を押します

アクションの1番目に待機時間(いわゆるシャットダウンタイマー)が追加されました。

[初期トリガーの有効性チェック]を選択します。

待機時間経過後にトリガーの条件が今も有効かどうかのチェックを行います。
無効だった場合(UPSが停電から回復している場合)、これ以降のアクションに進ませたくありません。オートメーション(自動化)を終了するように設定します。

【重要】

[自動化を終了します]を選択します。

アクションの2番目に「トリガー条件を確認して満たしていなかったら、オートメーションを終了する」アクションが追加されました。

[ITアクション]を選択します。

[ホストパワーアクション]を選択して次へ。

[シャットダウン]を選択して次へ。

シャットダウンするESXiを選択して次へ。

アクションを実行した結果、何かしらの原因でエラーが返ってきた場合、自動化を続行するのか、それとも終了するのかを選択します。※基本的に「初期トリガーの有効性チェック」アクションの時は終了。「初期トリガーの有効性チェック」以外のアクションは続行を選択します。
また、このアクションを抜けるタイムアウト値(秒)も入力します。

トリガーとアクションが完成したので[Save]します。

オートメーションが1つ作成されました。非アクティブなので有効化します。

これで、UPSが180秒間バッテリー運転したら、IPM2がESXiをシャットダウンする設定ができました。

シャットダウンテスト

UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。

IPM2のオートメーションが実行されて、仮想マシン → ESXiの順でシャットダウンしました。

Network-M2の停電時のシャットダウンが実行されて、UPSがシャットダウンしました。

次に180秒経過前にUPSを復電させるテストも実施します。

待機時間中に復電すると、初期トリガーの有効性の確認が機能してオートメーションが終了しました。

おわりに

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