Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM2】VMware HAのシャットダウン

IPM2でVMware HA構成をシャットダウンする手順を解説します。

はじめに

IPM2の基本設定(IP設定、ライセンス適用、UPS検出など)は済んでいる前提で話が進みます。予めご了承ください。

構成

VMware HA

  • VMware ESXi 7.0 Update 3g x2
  • VMware vCSA 7.0.3 20845200 x1
  • Eaton IPM 2.6.0 (VM) x1
  • Linux (Guest VM) x4
  • Windows (Guest VM) x2

UPS

  • Eaton 5PX1000 UPS x1
  • Eaton Network-M2 3.0.5 x1

シャットダウンの概要

1.UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
 (本ブログでは、停電が120秒継続したらシャットダウンシーケンス開始、その300秒後にUPSをシャットダウンする設定)

2.VMware HAのシャットダウンは、IPM2で設定します。
 (本ブログでは、停電が120秒継続したらシャットダウンを開始する設定)

※各タイマーはご使用の要件・環境に合わせて変更してください。本ブログはテスト環境のため短く設定しています。

UPSのシャットダウン設定

UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
最初に、シャットダウンシーケンスを開始する条件を設定します。

保護 > 停電時のシャットダウン

・バッテリー運転が120秒継続した時

次に、シャットダウンシーケンスが開始したら、300秒後にUPSをシャットダウンする設定をします。

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

PRIMARYのOSシャットダウン時間(秒)のローカルに、300を入力します。

これで、停電(バッテリー運転)が120秒継続したら、その300秒後にUPSをシャットダウンする設定になりました。

vCenter コネクタの追加

VMware HAのシャットダウンは、IPM2で設定します。シャットダウン設定の前に、IPM2がvCenterに接続する設定が必要です。

アセット > 施設アセット

施設アセットにはUPSが1台アクティブになっている状態です。

設定 > コネクタ に移動したら、右上の[追加]を押します。

仮想化 > VMware vCenter を選択します。

vCenterのIPアドレス、管理アカウント、パスワードを入力します。
チェックを全部入れて、ESXiの管理アカウント、パスワードも入力してSaveします。

コネクタが追加されて、ステータスが[接続済]になりました。

アセット > バーチャルアセット に移動して、ESXi、vCenter、クラスター、仮想マシンが追加されたことを確認します。

ITアセットに移動すると、[デバイスは構成されていません]とメッセージが表示されているため編集します。

パワーインプットカレントの0を変更します。

サーバーの入力電源ケーブル数(電源ユニット数)に変更して次へ。

サーバーの入力電源ケーブルが接続されているUPSとコンセントグループを選択したら[終了]を押します。

同じオペレーションをESXi台数分実施します。

[デバイスは構成されていません]のメッセージは解消されました。

オートメーション設定 (自動化設定)

オートメーションは、IPM2で実装された新機能です。
トリガーとなる条件が満たされた時に、アクションが実行されます。

オートメーション > 新規作成

[オートメーション]を選択します。

自動化名は任意です。読んで分かりやすい名前が良いでしょう。

次に、「トリガー」を設定します。ここで設定した条件を満たした時に、下のアクションが実行されます。

[電力の問題]を選択します。

[UPSのAC停電]を選択して次へ。

パワーソースにするUPSを選択して終了。

[選択したUPSがAC停電した時]を条件とするトリガーができました。

続いて、「アクション」に移ります。

UPSが停電を検知したらすぐにアクションを実行されたくありません。
一定時間(ここでは120秒)待っても停電したままだったらアクションを実行してもらいたいです。
このような時は、実行したいアクションより前に[遅延タイム]と[初期トリガーの確認]を挿入します。

[遅延タイム]を選択します。

待機時間(秒)に120を入力して[終了]を押します

アクションの1番目に待機時間(いわゆるシャットダウンタイマー)が追加されました。

[初期トリガーの有効性チェック]を選択します。

待機時間経過後にトリガーの条件が今も有効かどうかのチェックを行います。
無効だった場合(UPSが停電から回復している場合)、これ以降のアクションに進ませたくありません。オートメーション(自動化)を終了するように設定します。

【重要】

[自動化を終了します]を選択します。

アクションの2番目に「トリガー条件を確認して満たしていなかったら、オートメーションを終了する」アクションが追加されました。

[ITアクション]を選択します。

[クラスターパワーアクション]を選択して次へ。

[クラスタのシャットダウン]を選択して次へ。

シャットダウンするクラスターを選択して次へ。

アクションを実行した結果、何かしらの原因でエラーが返ってきた場合、自動化を続行するのか、それとも終了するのかを選択します。※基本的に「初期トリガーの有効性チェック」アクションの時は終了。「初期トリガーの有効性チェック」以外のアクションは続行を選択します。
また、このアクションを抜けるタイムアウト値(秒)も入力します。

「トリガー」と「アクション」が完成したのでSaveします。

オートメーションが1つ作成されました。非アクティブなので有効化します。

これで、UPSが120秒間バッテリー運転したら、IPM2がVMware HAをシャットダウンする設定ができました。

シャットダウン後の起動設定

IPM2がクラスタ内に配置されているため、シャットダウン後の起動時に、ゲスト仮想マシンを起動させるのか、起動させないのかを設定できます。
(vCSAとIPM2はInfrastructure VMに所属するため、必ず起動します。起動させない設定は不可)

1. Infrastructure VMは、必ず起動します。シャットダウン処理の前に起動していなかったとしても起動します。
2. Critical VMとNon Critical VMは、IPM2の「Restart all VMs」の設定によって起動が変化します。

オートメーション > オートメーション設定

Cluster Shutdown を選択

「Restart all VMs」が無効の場合

Infrastructure VM:起動する
Critical VM:起動しない
Non Critical VM:起動しない

「Restart all VMs」が有効の場合

Infrastructure VM:起動する
Critical VM:シャットダウン処理前に起動していたVMのみ起動する
Non Critical VM:シャットダウン処理前に起動していたVMのみ起動する

シャットダウンテスト

UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。

IPM2のオートメーションが実行されて、仮想マシン → ESXiの順でシャットダウンしました。

「クラスターシャットダウン」アクションによって、IPM2をシャットダウンするため、履歴としては×(完了していない=アクション実行中にIPM2ダウン)として記録されます。しかしながら、シャットダウンのプロセスは全て完了しています。

Network-M2の停電時のシャットダウンが実行されて、UPSがシャットダウンしました。

おわりに

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