Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【DITPM】DITPM on VMware(ESXi 1台)のシャットダウン

DITPMでVMware ESXi 1台をシャットダウンする手順を解説します。

はじめに

DITPMの基本設定(IP設定、UPS検出など)は完了している前提で話が進みます。予めご了承ください。

構成

VMware

  • VMware ESXi 7.0 Update 3 x1
  • Eaton DITPM-LW 7.3.0 (VM) x1
  • AlmaLinux 9 (Guest VM) x1

UPS

  • Eaton 9PX1500RT UPS x1
  • Eaton Network-M3 2.2.0 x1

シャットダウンの概要

1.UPSのシャットダウンは、Network-M3で設定します。
 (本ブログでは、停電が180秒継続したらシャットダウンシーケンス開始、その240秒後にUPSをシャットダウンする設定)

2.仮想マシンのシャットダウンは、VMware ESXiで設定します。

3.ESXiのシャットダウンは、DITPMで設定します。
 (本ブログでは、停電が180秒継続したらESXiをシャットダウンする設定)

DITPMからシャットダウン命令を受けたESXiは、仮想マシンをシャットダウンした後にシャットダウンします。

※各タイマーはご使用の要件・環境に合わせて変更してください。本ブログはテスト環境のため短く設定しています。

UPSのシャットダウン設定

UPSのシャットダウンは、Network-M3で設定します。
最初に、シャットダウンシーケンスを開始する条件を設定します。

保護 > 停電時のシャットダウン

・バッテリー運転が180秒継続した時

次に、シャットダウンシーケンスが開始したら、240秒後にUPSをシャットダウンする設定をします。

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

OUTPUTのOSシャットダウン時間(秒)のローカルに、240を入力します。

これで、停電が180秒継続したら、その240秒後にUPSをシャットダウンする設定になりました。

仮想マシンのシャットダウン設定

仮想マシンのシャットダウン(DITPMを含む)は、VMware ESXiの機能で実現します。

ホスト > 管理 > システム > 自動起動

有効:はい
停止アクション:シャットダウン

各仮想マシンは、シャットダウン動作:シャットダウン、自動起動の順序:任意(起動したい順)で設定します。

これで、ESXiをシャットダウンすると、仮想マシンをシャットダウンした後にシャットダウンするようになりました。

ESXi コネクタの追加

ESXiのシャットダウンは、DITPMで設定します。シャットダウン設定の前に、DITPMがESXiに接続する設定が必要です。

仮想デバイス > コネクタ に移動したら、右上の[新規]を押します。

必須項目を全て入力して[送信]を押します。
※タイプはVMware ESX/ESXiを選択します

操作ステータスが[接続されました]に変更されたのち、ホストをクリックすると、ホストとゲストを検出したことを確認できます。

オートメーション設定 (自動化設定)

オートメーションは、IPM2で実装されDITPMに継承された機能です。
トリガーとなる条件が満たされた時に、アクションが実行されます。

自動化 > ITオートメーション に移動したら、右上の[新規]を押します。

名前は任意です。
次に、トリガーを設定します。ここで設定した条件を満たした時に、下のアクションが実行されます。

[電源問題]を選択します。

[AC power outage on UPS]を選択して次へ。

パワーソースにするUPSを選択して送信します。

[選択したUPSがAC停電した時]を条件とするトリガーができました。

続けて、アクションを設定します。

UPSの停電を検知しても、すぐにアクションを実行されたくありません。
一定時間(ここでは180秒)待っても停電したままだったらアクションを実行してもらいたいです。
このような時は、実行したいアクションより前に[タイマー]と[復旧]を挿入します。

[タイマー]を選択します。

待機時間(秒)に180と入力して[送信]を押します

アクションの1番目に待機時間(いわゆるシャットダウンタイマー)が追加されました。

[復旧]を選択します。

待機時間経過後にトリガーの条件が今も有効かどうかのチェックを行います。
無効だった場合(UPSが停電から回復している場合)、これ以降のアクションに進ませたくありません。オートメーション(自動化)を終了するように設定します。

【重要】

[現在の自動化を終了します]を選択し送信します。

アクションの2番目に「トリガー条件を改めて確認し、満たしていなかったら自動化を終了する」アクションが追加されました。

[ITアクション]を選択します。

[ホスト – シャットダウン]を選択して、下へスクロールします。

タイムアウト(期限切れ):任意

※アクションを実行した時に、何かしらの原因でエラーが返ってきた時のためにタイムアウト値を設定します。設定した時間(秒)が経過すると、アクションエラーと判断してこのアクションから抜け出します。

アクションエラー時:
・次のアクションへ進める場合:現在の自動化を継続します
・オートメーションを中止する場合:現在の自動化を終了します

シャットダウンするESXiを選択して送信します。

トリガーとアクションが完成したので[送信]します。

オートメーションが1つ作成されました。右にスクロールします。

有効になっていることを確認します。

これで、UPSが180秒間バッテリー運転したら、DITPMがESXiをシャットダウンする設定ができました。

シャットダウンテスト

UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。DITPMのオートメーションが実行されて、ESXiをシャットダウンします。
※ESXiがDITPMをシャットダウンするため、Virtual Device Commandのステータスが×になっていますが、シャットダウンは正常に行われています。

次に180秒経過前にUPSを復電させるテストも実施します。

待機時間中に復電すると、[復旧]確認が機能してオートメーションが終了しました。

おわりに

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