Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

vCenter(仮想) & vSphere HA & 別Windows[有り]のIPM設定手順 by IPM 1.55

vCenter Server(仮想マシン) & vSphere HA & システム上に別にWindows Server有り構成のIPM設定手順を解説致します。

はじめに

vCenter Serverが仮想マシンで物理マシンWindowsが存在する場合、物理マシンにIPMとJAVA JREをインストールします。
シャットダウンフローは、仮想マシン(vCenter除く)をシャットダウンした後に、vCenter Serverをシャットダウンします。次に、仮想ホストをシャットダウンします。最後に、物理マシンをシャットダウンします。

システム構成

VMware vSphere HA構成
vCenter Serverは仮想マシンとして存在
Windowsの物理マシンが存在(別システム上であれば、仮想マシンも可)

必要条件

Eaton IPM 1.55
Eaton IPM Silver License
JAVA JRE

シャットダウンフロー

  1. 仮想マシン(vCenter除く)
  2. 仮想マシン(vCenter)
  3. 仮想ホスト(ESXi)
  4. 物理マシン(Windows)
  5. UPS

シャットダウン設定

IPMとJAVA JREのインストール、シルバーライセンス適用、インフラストラクチャーコネクターのvCenterコネクター追加が完了している前提で解説を始めさせて頂きます。
また、全ての手順を掲載すると非常に長くなるため、重要なポイントに絞って解説しています。

仮想マシン(vCenter除く)の設定

構成ポリシーの作成

構成ポリシーネーム:任意(半角英数)
ターゲットノード:vCenter以外の全ての仮想マシンを選択します。
クラスリスト:Runtime threshold settingsとパワーソースを選択します。
タイマー:シャットダウンタイマー値を入力します。
パワーソース:電源供給元のUPSを選択します。

アクションの作成

アクション名:任意(半角英数)
イベントリスト:シャットダウン基準に到達
イベントソース:上記で作成したポリシー
アクションタイプ:仮想マシンの電源操作
パワーコマンド:ゲストのシャットダウン
仮想マシンターゲット:上記で作成したポリシー

以上で、仮想マシン(vCenter除く)の設定は完了です。

仮想マシン(vCenter)の設定

構成ポリシーの作成

構成ポリシーネーム:任意(半角英数)
ターゲットノード:vCenterの仮想マシンを選択します。
クラスリスト:Runtime threshold settingsとパワーソースを選択します。
タイマー:シャットダウンタイマー値を入力します。
パワーソース:電源供給元のUPSを選択します。

アクションの作成

アクション名:任意(半角英数)
イベントリスト:シャットダウン基準に到達
イベントソース:上記で作成したポリシー
アクションタイプ:仮想マシンの電源操作
パワーコマンド:ゲストのシャットダウン
仮想マシンターゲット:上記で作成したポリシー

以上で、仮想マシン(vCenter)の設定は完了です。

仮想ホスト(ESXi)の設定

IPMはvCenterがシャットダウンすると、vCenter配下のノードと通信できなくなるため、仮想ホスト(ESXi)のシャットダウンはスクリプトによって制御します。ここでは、Tera Termで仮想ホスト(ESXi)にSSH接続してPoweroffコマンドを実行する手順を紹介しています。vCenterのシャットダウン完了を待つために、60秒のtimeoutを入れています。

バッチファイルとスクリプトの作成

host_shutdown.bat をc:\scriptに作成します。

timeout 60
c:\script\host1_shutdown.ttl
c:\script\host2_shutdown.ttl

host1_shutdown.ttl をc:\scriptに作成します。

connect '192.168.10.210:22 /ssh /auth=challenge /user=root /passwd=EatonUPS114
pause 5
sendln 'poweroff'
sendln 'exit'

host2_shutdown.ttl をc:\scriptに作成します。

connect '192.168.10.220:22 /ssh /auth=challenge /user=root /passwd=EatonUPS114
pause 5

sendln 'poweroff'
sendln 'exit'

以上で、host_shutdown.batを実行すると60秒待機した後、仮想ホスト1と2を順番にシャットダウンします。

タスクの作成

タスク スケジューラで[タスク]を作成します。

[全般]タブ

名前:任意(半角英数)
ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する を選択
構成:Windows Server 2003、XP、2000を選択【重要】

[操作]タブ

操作:プログラムの開始
詳細:C:\script\host_shutdown.bat

[条件]タブ

コンピュータをAC電源で使用している場合のみタスクを開始する のチェックを外す

他のタブは変更しません。

以上で、作成したタスクを実行するとhost_shutdown.batを実行します。

構成ポリシーの作成

構成ポリシーネーム:任意(半角英数)
ターゲットノード:全ての仮想ホストを選択します。
クラスリスト:Runtime threshold settingsとパワーソースを選択します。
タイマー:シャットダウンタイマー値を入力します。
パワーソース:電源供給元のUPSを選択します。

アクションの作成

作成したwindowsタスクを実行するように設定します。

アクション名:任意(半角英数)
イベントリスト:シャットダウン基準に到達
イベントソース:上記で作成したポリシー
アクションタイプ:コマンド
コマンド:schtasks.exe /run /tn “作成したwindowsタスクの名前”

以上で、アクション → タスク → バッチ → スクリプト の一連の処理が完成しました。

物理マシン(Windows)の設定

設定 > シャットダウン をクリックします。

パワーソースの構成

電源供給元のUPS(パワーソース)を設定します。

シャットダウンの構成

シャットダウンタイマー:シャットダウンタイマー値を入力します。
シャットダウンのタイプ:シャットダウンを選択します。

UPS(パワーソース)の設定

シャットダウンパラメーター

[になった後]にチェックを入れます。その右の項目に[シャットダウンタイマー値]を入力します。
シャットダウン待機時間:上で入力した値が経過した時に、何秒後にUPSをシャットダウンさせるかの値を入力します。
..後UPSをオフする は[有効]にします。

以上で、全ての設定が完了しました。

シャットダウンテスト

UPSの電源ケーブルを抜いてバッテリー運転にします。

おわりに

仮想ホストをシャットダウンするコマンドを変更すれば、VMware vSANの環境もシャットダウンさせる事ができます。

以上、村田@ダイトロンがお届けしました。

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