Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM】 自動起動 for Nutanix AHV by Eaton IPM 1.60

このブログより新しいNutanix AHVブログがあります。下記リンク先に移動して、最新のシャットダウンソリューションをご確認願います。

自動起動 for Nutanix AHV by IPM 1.67


Nutanix AHV環境で、電源回復(復電)後の自動起動を検証しました。AHV起動 → CVM起動 → クラスター開始 → 仮想マシンを指定した順番で起動 を全て実行できる事を確認しました。Nutanixの電源保護は、Nutanix ReadyのEaton UPSとEaton IPMを提案させて頂きます。

※このブログのIPMのコネクターは、Nutanixコネクターを利用しています。NutanixコネクターはIPM 1.61までシルバーライセンスで利用できましたが、IPM 1.62以降ゴールドライセンスが必要になっています。

検証結果

  • 任意の仮想マシンを指定した時間でシャットダウン可能
  • クラスター停止、CVMシャットダウン、AHVシャットダウンを実行

前提条件

  • Nutanixの外部にあるWindowsマシンにIPMをインストールすること
  • Eaton IPM Silver License 以上が必要
  • Nutanix NGT 1.2.1 以上が仮想マシンにインストールされていること

※Nutanix 管理用のサーバ、もしくはバックアップサーバにIPMのインストールを推奨しております

検証環境

Nutanix Community Edition (Nutanix CE)

  • 仮想ホスト 3node [AHV version Nutanix 20180123.170]
  • 仮想マシン x9

Nutanix VM

  • Windows Server 2016 x6
  • Controller VM (CVM) x3

Windows Server 2012R2

  • Eaton IPM 1.60 build 210 with Silver License

UPS

  • Eaton 9PX3000GRT UPS + Eaton Network-MS

シャットダウンフロー (停電時)

  1. 任意の仮想マシン シャットダウン
  2. クラスター 停止
  3. CVM シャットダウン
  4. AHV シャットダウン
  5. Windows Server シャットダウン
  6. UPS シャットダウン

シャットダウンの設定は、こちらのテクニカルブログをご覧ください。

起動フロー (復電時)

  1. UPS 起動
  2. Windows Server 起動
  3. AHV & CVM 起動
  4. クラスター 開始
  5. 任意の仮想マシンを間隔(秒)を指定して順番に起動

UPS 起動 設定

デフォルトの設定のままで、UPSは自動的に出力開始します。

※シャットダウンテスト後の復電で、自動的に出力開始しなければ、On/Off settings → Start/Restart → Auto restart : Enabeled に設定を戻します。

Windows Server 起動 設定

マザーボードのBIOSで自動的に起動するように設定します。

メーカーによって設定箇所が異なります。写真はAmerican BIOSの設定例です。

AHV & CVM 起動 設定

AHVが起動すると、CVMは自動的に起動します。

AHVの起動方法は、2パターンあります。

  1. Windows Serverと同じく、マザーボードのBIOS設定で起動する
  2. Windows Serverが起動した後に、IPMIを使用してAHVをリモート起動する

クラスター 開始 設定

【重要】

IPMはアクション「クラスター開始」を1回しか実行しません。
Nutanix AHV & CVMが全て起動する時間より確実にあとに、アクション「クラスター開始」を実行するようにタイマーを設定して下さい。

※電源ONしてから全てのCVMが起動し終わる時間が10分かかるとしたら、余裕をみてタイマーを15分に設定します。

本解説では、IPMのサービスが開始してから「5分後にクラスター開始」を実行するようにしています。
ご利用の環境に合わせてタイマーの調整をお願い致します。

イベントルールの作成

設定 > アクション/イベント > イベントルールの編集 を押します

イベントリスト:[追加]を押します

[新しい未決定イベント]のまま、OKを押します。

イベントリストのカスタムに[新しいイベント_X]が作成されました。

続いて、右側のイベント定義を編集します

イベントネーム:任意 (例:クラスターを開始します)
イベントメッセージ:任意 (例:クラスターを開始します)
イベント重要度:任意 (例:情報)
イベントモード:すべての条件が合致したら実施

上記4項目を編集後、[追加]を押します

ルール定義が出現します

「ルール1」

ルールトリガー:ソフトウェア起動ステータス (標準システムオブジェクトの中にあります)
ルールソース:任意のソース
ルール担当者:同じ
値:1 (=IPM起動状態)
有効期間:300 (この値が【重要】で解説した5分のタイマーです)

OKを押します

ルールが1つ追加されました。

[追加]を押して、合計6個のルールを作成します。

「ルール2」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:Nutanix クラスター
ルール担当者:同じ
値:1 (=通信ロスト)
有効期間:0

「ルール3」

ルールトリガー:通信エラー (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:IPMをインストールしたWindows Server
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信エラー無し)
有効期間:0

「ルール4」

ルールトリガー:バイパス中 (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:同じ
値:0 (=バイパス中ではない)
有効期間:0

「ルール5」

ルールトリガー:電気あり (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:同じ
値:1 (=AC入力電源あり)
有効期間:0

「ルール6」

ルール1~5だけだと、全く異常がない正常な状態で手動にて[クラスター停止]を行うと、全てのルールを満たしてしまいます。そのため、この後で作成するアクション[クラスター開始]を自動的に実行してしまいます。つまり、人間が[クラスター停止]を実行しても、IPMが[クラスター開始]を行ってしまいます。これを避けるために、全く異常がない時はIPMに何もさせないようなルールを追加します。

具体的には、「UPSのバッテリー容量%が指定値以下の時」です。本解説では、バッテリー容量91%以下をルール6として追加しています。98%以下に設定しても構いません。正常な状態ではUPSの容量が99%~100%である事がほとんどのため、ルール6を満たしません。そのため、IPMは何もしなくなります。

ルールトリガー:バッテリー容量% (標準シャットダウンオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:低い
値:91 (91~98の間を推奨します)
有効期間:0

ルール6個が追加されました

右下の[アクションリスト]を押します

[通知]と[イベントログ]にチェックを入れてOKを押します

関連するアクションに追加された事を確認してOKを押します

アクションの作成

設定 > アクション/イベント > 新しいアクションの作成 を押します

新しいアクションの作成ウィンドウが出現します

アクション名:任意 (例:Nutanix Cluster Start Action)

イベントリスト:先ほど作成したイベントにチェックを入れて、OKを押します

イベントソース:任意のソース

アクションタイプ:SSHアクション

SSHサーバーホストネーム:Nutanix CVMのIPアドレス
ユーザーネーム:Nutanix CVMのユーザ名
パスワード:Nutanix CVMのパスワード

コマンドラインを編集します

bash --login -c "cluster start"

と入力してOKを押します。

保存します

定義したイベントが発生した時に、連動して動作するアクション[クラスター開始]が完成しました

仮想マシン 自動起動

ここでは、仮想マシン3台で解説します。

仮想マシン1台目:クラスター開始が終わり、全てのCVMと通信するとパワーオン
仮想マシン2台目:1台目がパワーオンしてから90秒後にパワーオン
仮想マシン3台目:2台目がパワーオンしてから60秒後にパワーオン

※2台目以降のパワーオンは、任意の時間間隔(秒)を設定可能です

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

仮想マシン1台目 起動 設定

イベントルールの作成

管理 > アクション/イベント > イベントルールの編集

イベントリストの[追加]を押します

[新しい未決定イベント]を選択します

続いて、右側のイベント定義を編集します

イベントネーム:任意 (例:VM 仮想マシン名 Power ON)
イベントメッセージ:任意 (例:VM 仮想マシン名 Power ON)
イベント重要度:任意 (例:情報)
イベントモード:すべての条件が合致したら実施

上記4項目を編集後、[追加]を押します

「ルール1」

ルールトリガー:VM電力ステータス (標準仮想化オブジェクトの中にあります)
ルールソース:仮想マシン 1台目
ルール担当者:同じ
値:4 (=仮想マシンPower OFF状態)
有効期間:0

「ルール2」

ルールトリガー:VM電力ステータス (標準仮想化オブジェクトの中にあります)
ルールソース:仮想マシン 2台目
ルール担当者:同じ
値:4 (=仮想マシンPower OFF状態)
有効期間:0

「ルール3」

ルールトリガー:VM電力ステータス (標準仮想化オブジェクトの中にあります)
ルールソース:仮想マシン 3台目
ルール担当者:同じ
値:4 (=仮想マシンPower OFF状態)
有効期間:0

「ルール4」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:起動ターゲットの仮想マシン
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信回復)
有効期間:0

「ルール5」

ルールトリガー:通信エラー (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:IPMをインストールしたWindows Server
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信エラー無し)
有効期間:0

「ルール6」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:Nutanix CVM 1台目
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信回復)
有効期間:0

「ルール7」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:Nutanix CVM 2台目
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信回復)
有効期間:0

「ルール8」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:Nutanix CVM 3台目
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信回復)
有効期間:0

「ルール9」

ルールトリガー:バイパス中 (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:同じ
値:0 (=バイパス中ではない)
有効期間:0

「ルール10」

ルールトリガー:電気あり (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:同じ
値:1 (=AC入力電源あり)
有効期間:0

「ルール11」

ルールトリガー:バッテリー容量(%) (標準シャットダウンオブジェクトの中にあります)
ルールソース:パワーソースのUPS
ルール担当者:低い
値:91 (91~98の間を推奨します)
有効期間:0

右下の[アクションリスト]を押します

[通知]と[イベントログ]にチェックを入れてOKを押します

関連するアクションに追加された事を確認してOKを押します

アクションの作成

設定 > アクション/イベント > 新しいアクションの作成

アクション名:任意 (例:VM 仮想マシン名 Power ON Action)

イベントリスト:先ほど作成したイベントにチェックを入れて、OKを押します

イベントソース:任意のソース

アクションタイプ:仮想マシンの電源操作

パワーコマンドを編集します

[パワーオン]を選択します

仮想マシンターゲットを編集します

起動したい仮想マシンを選択します

保存します

仮想マシン1台目をパワーオンするアクションが追加されました

仮想マシン2台目 起動 設定

イベントルールの作成

管理 > アクション/イベント > イベントルールの編集

イベントリストの[追加]を押します

仮想マシン1台目のイベントをコピーします

イベントネームとイベントメッセージを編集します

仮想マシン1台目のVM電力ステータスを編集します

「ルール1」

ルールトリガー:VM電力ステータス (標準仮想化オブジェクトの中にあります)
ルールソース:仮想マシン 1台目
ルール担当者:同じ
値:1 (=仮想マシンPower ON状態)
有効期間:90 (1台目と2台目の起動間隔時間)

起動ターゲットの仮想マシンを編集します

「ルール4」

ルールトリガー:通信ロスト (標準アラームオブジェクトの中にあります)
ルールソース:起動ターゲットの仮想マシン
ルール担当者:同じ
値:0 (=通信回復)
有効期間:0

右下の[アクションリスト]を押します

[通知]と[イベントログ]にチェックを入れてOKを押します

関連するアクションに追加された事を確認してOKを押します

アクションの作成

設定 > アクション/イベント

仮想マシン1台目の起動アクションを選択します

選択したアクションをコピーします

後で編集するため、アクション名は変更しないで保存します

コピーされたアクションを選択して編集します

アクション名、イベントリスト、仮想マシンターゲットを仮想マシン2台目に修正して保存します

仮想マシン2台目の起動アクションが作成されました

仮想マシン3台目 起動 設定

仮想マシン2台目と同じ手順のため、手順は省略します

イベントルール完成版

赤線は仮想マシン2台目と差異がある箇所です

アクション完成版

赤線は仮想マシン2台目と差異がある箇所です

起動テスト

シャットダウンテストの後に、AC電源ケーブルを接続して復電します

  1. UPS 起動
  2. Windows Server 起動
  3. AHV & CVM 起動
  4. クラスター 開始
  5. 任意の仮想マシンを間隔(秒)を指定して順番に起動

IPMのイベントリストで、仮想マシンが指定した間隔(秒)後に順番に起動する事を確認します

おわりに

イベントリストのカスタマイズにより、クラスター開始と仮想マシンの順次起動を実現しました。

Nutanixの電源保護は、Nutanix ReadyのEaton UPSとEaton IPMを提案させて頂きます。

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