Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM】 シャットダウン for vCSA on vSphere HA by IPM 1.64

vCenter Server Appliance (vCSA)がvSphere HA上に存在する構成のシャットダウン検証をIPM 1.64で実施しました。

【重要】新ライセンス販売のお知らせ

2020年9月、IPMの新ライセンス(Optimize License)を販売しました。
テクニカルブログ内の文章および画像の旧ライセンス(Silver License、Gold License)は、全てOptimize Licenseに置き換えてお読み下さい。よろしくお願い致します。

検証結果

  • Eaton IPM 1.64は、VMware ESXi 6.7.0 Update 1のシャットダウンに対応しています。

前提条件

  • Eaton IPM Silver License以上が必要
  • VMware ESXiのSSHが有効であること
  • 全ての仮想マシンにVMware Toolsがインストールされていること

検証環境

VMware 仮想ホスト

  • VMware ESXi 6.7.0 Update 1 (build 10302608) x2

VMware 仮想マシン

  • vCenter Server Appliance 6.7.0.14000 x1
  • Windows Server 2012R2 x4

Windows 物理マシン

  • Windows Server 2016 (Eaton IPM 1.64 with Silver License) x1

UPS(無停電電源装置)

  • Eaton 9PX3000GRT UPS + Eaton Network-MS x2

シャットダウンフロー (停電時)

  1. 仮想マシンをグループ単位でシャットダウン ※任意順序付け可能
  2. vCenter Server Appliance シャットダウン
  3. 仮想ホスト メンテナンスモード移行
  4. 仮想ホスト シャットダウン
  5. 物理マシン シャットダウン
  6. UPS シャットダウン

起動フロー (復電時)

手動による起動となります。

※自動起動を実行したい場合、別途スクリプトを準備願います。

検証環境のシャットダウン設定

ここから、実際の設定手順を解説します。
簡易な箇所・繰り返しのオペレーションになる箇所は、手順を省略しております。

Java JRE 8 インストール

IPMをインストールする前に、Java JRE 8 をインストールします。
後からJava JRE 8 をインストールした場合、IPMのサービスを「停止」→「開始」します。

Java SE Runtime Environment 8 Downloads

Eaton IPM 1.64 インストール

インストール手順は省略します。

Eaton UPS Software Downloads

OpenSSH-win インストール

コマンドプロンプトでsshを実行できるように、OpenSSH-winをインストールします。

インストール手順は、こちらのテクニカルブログを参考願います。

初期設定

ログイン

ログイン:admin、パスワード:adminでログインします。

更新設定の編集

設定 > システム > 更新設定の編集 を押します

間隔:[指定なし]に変更して保存します

モジュール設定の編集

設定 > システム > モジュール設定の編集 を押します

[シャットダウン]、[インフラストラクチャーコネクター]、[冗長性]にチェックを入れて保存します

シルバーライセンスの適用

シルバーライセンスにアップグレードするには、「プロダクトキー」が必要となります。
弊社から届いた「プロモーションコード」をご準備の上、下記URLの手順に従って「プロダクトキー」を入手して下さい。

シルバーライセンス、ゴールドライセンスのプロダクトキー取得手順

VPS(冗長UPS)の作成

設定 > 自動検出

2台のUPSを選択して[複合デバイスのセット]を選択します

デバイス名を確認して保存します

VPSが作成されました

インフラストラクチャーコネクター

設定 > インフラストラクチャーコネクター > コネクターの追加

プルダウンの中から、VMware vCenter を選択し、IPアドレス、ユーザー名、パスワードを入力して保存します

VMware vCenter コネクターが追加されました

ノードリストに戻ると、vCenter、Cluster、ESXi、Virtual Machineが追加されています

シャットダウン シーケンス

※画面スクロールを減らすために、あえてここでシャットダウン シーケンスを掲載しています。

2台のUPSが10分間停電すると、シャットダウンを開始する設定にしています。
 10分経過前に復電すると、何も実行されません。
 10分経過後に復電しても、UPSのシャットダウンまで全てのアクションが実行されます。

[構成ポリシー]と[イベントルール]と[アクション]の作成手順

[構成ポリシー]、[イベントルール]、[アクション]の作成手順は、こちらのテクニカルブログにて解説しております。

ここから先は、最低限の画像のみを掲載しています。作成手順をよく読みながら設定を行ってください。

VM Group A 作成

管理 > 構成ポリシー > 新しいポリシーを作成

構成ポリシー

構成ポリシーネームは任意。ただし、半角英数のみで作成のこと。全角NG。

続いて、ターゲットノードを編集します

グループに所属させたい仮想マシンを選択して、右側に移動します

クラスリストは設定しません。

保存します。

VM Group B 作成

同じ手順でグループに仮想マシンを所属させます。

※ 本解説はグループ2つになっています。環境に合わせて、グループC, D, E, F‥と作成して下さい

VM Group A シャットダウン設定

一番最初に実行したい[アクション]には、[構成ポリシー]を作成して関連付けます。

構成ポリシー

VM Group Aに所属させた仮想マシンの中から1台を選択して、ターゲットノードにします。

ここで選択したターゲットノードは、このあとで解説するイベントルールのルールソースと一致させる必要があります。

クラスリストは、[Runtime threshold settings]と[パワーソース]を選択します

タイマーにシャットダウンタイマーを入力、パワーソースにVPSを選択します。

アクション

上記ポリシー(VPS 10min Battery mode)の条件を満たし、イベントが発生(シャットダウン基準に到達)した時に実行する「アクション(仮想マシンの電源操作)」を作成します。

VM Group B シャットダウン設定

2番目以降に実行したいアクションに対しては、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

構成ポリシー作成時の「ターゲットノード」を「ソース」に指定します。

ソースが「シャットダウン基準に到達」を満たしたら、60秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション(仮想マシンの電源操作)」を作成します。

※イベントルールと関連付けする時と、構成ポリシーと関連付けする時とで、設定が少し異なります。

VM vCSA シャットダウン設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、60秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション(仮想マシンの電源操作)」を作成します。

ESXi 210 メンテナンスモード設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、180秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「SSHアクション」を作成します。

※vCenterをシャットダウンしているので、vCenter経由の操作ができなくなっています。そのため、ESXiにSSHで接続してコマンド制御します。

esxcli system maintenanceMode set -e true -m noAction

ESXi 220 メンテナンスモード設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、0秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「SSHアクション」を作成します。

※vCenterをシャットダウンしているので、vCenter経由の操作ができなくなっています。そのため、ESXiにSSHで接続してコマンド制御します。

esxcli system maintenanceMode set -e true -m noAction

ESXi 210 シャットダウン設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、60秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「SSHアクション」を作成します。

※vCenterをシャットダウンしているので、vCenter経由の操作ができなくなっています。そのため、ESXiにSSHで接続してコマンド制御します。

esxcli system shutdown poweroff -r "PowerFailed"

ESXi 220 シャットダウン設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、0秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「SSHアクション」を作成します。

※vCenterをシャットダウンしているので、vCenter経由の操作ができなくなっています。そのため、ESXiにSSHで接続してコマンド制御します。

esxcli system shutdown poweroff -r "PowerFailed"

IPM Server シャットダウン設定

[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生したら、120秒後にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション(コマンド)」を作成します。

※Windowsのシャットダウンコマンドを記述します。

shutdown -s -t 0

UPSのシャットダウン

UPSが10分間バッテリー運転したら、720秒後にUPSがシャットダウンするようにシャットダウンパラメーターを設定します。

Network-MSにアクセスします(カードのIPアドレスをブラウザに入力します)

UPS > UPSシャットダウンパラメーター

□になった後 にチェックを入れます
時間を 10分 に設定します

シャットダウン 待機時間:720秒
..後UPSをオフする 順次シャットダウン:有効

※UPS 2台とも同じシャットダウン設定にします

シャットダウンテスト

UPSのバッテリーランタイムが十分に確保されている事を確認してから、UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。

おわりに

このシャットダウン手順は、vSANにも対応可能です。

IT機器の電源保護は、Eaton UPSとEaton IPMを提案させて頂きます。

以上、村田@ダイトロンがお届けしました。

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