Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM2】VMware HA+共有ストレージのシャットダウン

IPM2でVMware HAと共有ストレージをシャットダウンする手順を解説します。

IPM2をVMware HA上の仮想マシンとして配置すると、共有ストレージがシャットダウンされません。共有ストレージもシャットダウンする場合は、VMware HAの外部にIPM2を配置する必要があります。

はじめに

IPM2の基本設定(IP設定、ライセンス適用、UPS検出など)は済んでいる前提で話が進みます。予めご了承ください。

構成

VMware HA

  • VMware ESXi 7.0 Update 3g x2
  • VMware vCSA 7.0.3 20845200 x1
  • Linux (Guest VM) x5
  • Windows (Guest VM) x2

Storage

  • 任意のストレージ装置

Server

  • Windows Server 2022 x1 (Hyper-V、OpenSSH サーバー、PowerShell)
  • Eaton IPM 2.6.0 (VM) x1

UPS

  • Eaton 5PX1000 UPS x1
  • Eaton Network-M2 3.0.5 x1

シャットダウンの概要

VMware HAと共有ストレージのシャットダウンは、テクニカルブログ「VMware HAのシャットダウン」と「IPM2 on Hyper-Vのシャットダウン」を組み合わせる形となります。
そのため、キーポイント以外は手順を省略しております。個々の「トリガー」や「アクション」は、各ブログの詳細手順にてご確認ください。

1.UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
 (本ブログでは、停電が120秒継続したらシャットダウンシーケンス開始、その360秒後にUPSをシャットダウンする設定)

2.VMware HAのシャットダウンは、IPM2で設定します。
 (本ブログでは、停電が120秒継続したらシャットダウンを開始する設定)

3.IPM2仮想マシンのシャットダウンは、Hyper-Vの機能で設定します。
 (本ブログでは、VMware HAシャットダウン後、60秒待機してからシャットダウンを開始する設定)

4.共有ストレージとWindowsのシャットダウンは、Windows内にシャットダウンスクリプトを配置し、IPM2がWindowsにSSH接続してそのスクリプトを実行することで実現します。

※各タイマーはご使用の要件・環境に合わせて変更してください。本ブログはテスト環境のため短く設定しています。

注意事項

  • 共有ストレージとWindowsをシャットダウンするスクリプトは、ユーザー様にてご準備ください。
  • IPM2をクラスタの外部に配置しているため、Restart all VMs機能が働きません。つまり、シャットダウンの後に起動した時、仮想マシンはvCSAのみ自動起動します。他の仮想マシンは自動起動しません。

UPSのシャットダウン設定

UPSのシャットダウンは、Network-M2で設定します。
最初に、シャットダウンシーケンスを開始する条件を設定します。

保護 > 停電時のシャットダウン

・バッテリー運転が120秒継続した時

次に、シャットダウンシーケンスが開始したら、360秒後にUPSをシャットダウンする設定をします。

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

PRIMARYのOSシャットダウン時間(秒)のローカルに、360を入力します。

これで、停電(バッテリー運転)が120秒継続したら、その360秒後にUPSをシャットダウンする設定になりました。

VMware HAのシャットダウン

VMware HAのシャットダウンは、IPM2で設定します。

詳細手順は、テクニカルブログ「VMware HAのシャットダウン」をご覧ください。※ アクションは、2つのブログのアクションを連結させます

IPM2仮想マシンのシャットダウン

IPM2仮想マシンのシャットダウンは、Hyper-Vの機能で設定します。

詳細手順は、テクニカルブログ「IPM2 on Hyper-Vのシャットダウン」をご覧ください。

共有ストレージとWindowsのシャットダウン

共有ストレージとWindowsのシャットダウンは、Windows内にシャットダウンスクリプトを配置し、IPM2がWindowsにSSH接続してそのスクリプトを実行することで実現します。

詳細手順は、テクニカルブログ「IPM2 on Hyper-Vのシャットダウン」をご覧ください。 ※ アクションは、2つのブログのアクションを連結させます

Windowsをシャットダウンするスクリプトに、共有ストレージをシャットダウンするスクリプトを追記します。

PowerShellスクリプトは、任意フォルダに配置します。ここでは、C:\scripts\HyperV\ に保存しました。

オートメーション設定 (自動化設定)

オートメーションは、IPM2で実装された新機能です。
トリガーとなる条件が満たされた時に、アクションが実行されます。

オートメーション > 新規作成 > オートメーション

自動化名:任意

「トリガー」

※手順省略、完成版のみ掲載

[選択したUPSがAC停電した時]を条件とするトリガー

「アクション」

※手順省略、完成版のみ掲載

  1. [遅延タイム 120秒]
  2. [初期トリガーの有効性チェック] (損失時:停止) ※必ず[自動化を終了します]を選択
  3. [ITアクション > クラスターパワーアクション > クラスタのシャットダウン] (エラー時:続行)
  4. [遅延タイム 60秒]
  5. [ITアクション > サーバアクション > SSHアクション]

SSHアクションの箇所のみ中身を掲載しておきます。
ホストのWindows内のスクリプトを実行することで、Storage→IPM2仮想マシン→Windowsの順でシャットダウンします。

オートメーションが1つ作成されました。非アクティブなので有効化します。

これで、UPSが120秒間バッテリー運転したら、IPM2がVMware HA→Storage→IPM2仮想マシン→Windowsの順でシャットダウンする設定ができました。

シャットダウン後の起動設定

注意事項にも記載しましたが、IPM2をクラスタの外部に配置しているため、Restart all VMsが機能しません。つまり、シャットダウンの後に起動した時、仮想マシンはvCSAのみ自動起動します。他の仮想マシンは自動起動しません。vCSA以外の仮想マシンは、vCSAに接続して手動で起動してください。

シャットダウンテスト

UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。

IPM2のオートメーションが実行されて、VMware HA→Storage→IPM2仮想マシン→Windowsの順でシャットダウンしました。
※shutdownClusterの所で×がついていますが、VMware全部のシャットダウンを確認済み。

Network-M2の停電時のシャットダウンが実行されて、UPSがシャットダウンしました。

おわりに

TwitterとYouTubeでEaton UPSの情報を配信しております。よろしくお願い致します。

Twitter : https://twitter.com/eaton_daitron

YouTube : https://www.youtube.com/user/EatonDaito

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